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フィールドプレイヤーの総合力ではややアルゼンチンが上だが、チームの中心には諸刃の剣のリケルメが。対するドイツにはフィールド全体で圧倒的な支配力をバラックに加えGKの質や絶好調のFWクローゼもいる――終わってみれば、ほぼそんな印象どおりのゲームだった。
立ち上がり、リケルメがこれまでの試合にないほど積極的に動く。流石に相手の格を感じるということか、ろくに守備をしないのは相変わらずだが持ち上がりや突破を狙う積極性がこれまでの試合とはまるで別人。
いきおいアルゼンチンのボール支配は圧倒的になる。だがドイツも厚い守備網と鋭いカウンターでこれに応じる。前半終わってみればドイツ35%、アルゼンチン65%、しかし双方シュート本数は皆無という強豪国同士とは思えない展開。
その流れが後半早々に実る。コーナーキック(蹴るのはもちろんリケルメ)にアジャラが頭で合わせて先制、クレスポが動いて出来たスペースを使っての鮮やかなゴール。こうなるとゲームが動き出す。リスク覚悟で攻め始めたドイツとのカウンターの応酬の中、攻撃しかできないリケルメが浮き始め、代わってバラックの支配力が顕著になる。
先にベンチが動いたのはドイツ、右サイドの支配を狙ってかシュナイダーOUTオドンコーIN。その効果がじりじりと出始めたかというころ、ゴール前での攻防からクローゼの膝が入ったことでアルゼンチンGKアボンダンシエリが負傷、やむなくGKフランコに交代というアクシデントが流れを変えた。まだ攻撃に色気を残していたアルゼンチンのペケルマン監督は、リケルメOUTカンビアッソINという交代を敢行。このまま一点を守りきるという意志をチームに示す。対するクリンスマン監督も74分シュバインシュタイガーOUTボロウスキINでこれを砕こうとする。ペケルマンはアクシデントで減った枠に苦しみながら79分クレスポOUTクルスIN。
そして実ったのはドイツの意志だった。80分、バラックのセンタリングにボロウスキが頭ではたき、ゴール前に浮いた球をクローゼが4年前を髣髴とさせるヘディングで叩き込む。同点。86分にやや負傷していたクローゼをノイビルに代えつつ互いに攻めあうが決まらない。延長へ。
_その延長。後半中ごろから足を気にして運動量が落ちていたバラックの足が、止まった。
途端に試合はアルゼンチンのペースになる。いかにバラックが試合を支配していたかが一目瞭然な展開。だがアルゼンチンはこういうときにこそ欲しいリケルメが既におらず、交代枠もないためアイマールも繰り出せない。もちろんそれでも攻撃には厚みがあるが、必死に守るドイツ相手に崩しきれるほどのものではなかった。
_PK戦、これはひどく素直な結果だった。ドイツは4本を連続で決め、GKレーマンは欧州CLファイナリストかつ代表での激しいGK争いをも制した格を見せて2本を止めた。
_意地の悪い言い方をすればクローゼの膝と頭で決まった試合、ホームのドイツが紙一重の勝負を制した。しかしバラックの状態に不安を抱えたことでドイツの行く先には黄信号が点った。
強固な守備ブロックを誇るが得点力にやや不安を残すフランスと、逆に圧倒的な攻撃力を持つが守備ブロックにはやや劣るブラジルの対決。8年前の決勝と同カードでもあり、ブラジルにとっては今大会初の真の強豪との対決でもあった。
他に書く場所がないので先に書いておこう。ともすれば荒れるかもしれない試合をできるだけ平静に保とうとした審判の仕事ぶりはまるでお手本のようだった。名勝負は、すばらしい黒子なくしては生まれなかったと特に書いておきたい。
_さて、この試合、勝負を分けるのは攻撃の選手のクオリティではなく、その一段前――中盤の底でゲームを支える選手、フランスで言えばヴィエラやマケレレ、ブラジルで言えばゼ・ロベルトやジウベルト・シウバ、ジュニーニョ・ベルナンブカーノの出来にあるだろうと思っていた。
_手を打ったのはブラジルが先だった。今大会不調のアドリアーノの名前が先発に無く、代わってジュニーニョ・ベルナンブカーノの名が。ジダンやアンリではなく、やはりその一つ手前を抑えようという意図か。
そんな互いの意図を示すように、双方激しく攻めるも守備ブロックに阻まれシュートまで持ち込めない展開が続く。
そんな試合が遂に動いたのは57分、ジダンのFKからゴール前の攻防でフリーになったアンリが足で流し込んでの先制。アンリへのマーカー不在、完全なブラジルの守備のミス。
だがともかく点は入り、ブラジルは牙を剥いた。浮き足立つフランス守備陣。大虐殺が始まるのか、そんな気配があった。だがしかし、そんな中誰よりも冷静だったのは、既に選手としての峠を過ぎたはずのジダンだった。この期に及んでまだ進化するのか――そんなことを思う。冷静にボールを持って時間を作り、あるいは持てる選手にボールをさばくことで、ブラジルがやむなく帰陣しフランス守備陣が休むための時間を作り出す。それまで使いあぐねていたリベリーの使い方までも学び取り、それ以上に一人でゲームを支配した。
もちろんブラジルはそれでも攻める。次々に選手を入れ替えながら、DF陣で最も足の速いであろうロベルト・カルロス一人を残しての全員攻撃は、クレイジーそのものだった。だがジダンの力で冷静さを取り戻したフランス守備陣は、遂にブラジルに決定的な仕事をさせなかった。
_先制点は幸運で得たものだったが、そこから見せたジダンの支配力は圧巻だった。キャリア最後になるかもしれない試合になってようやく、ジダンはチームの真のキャプテンとして目覚めた。それは、デシャンの引退以降、数年にわたりこのチームが欲し続けていたものだ。本当に土壇場でジダンはその立場に収まり、もう2試合をキャリアに付け加える権利を獲得した。
――このまま優勝して引退するとなれば、きっとバロンドールすら獲得してしまうだろう。それはもう本当に勝ち逃げであり、伝説になる。仮にそうなるならば、この試合は伝説の始まり、転換点として記憶されることになるだろう。
そんな試合、溜息が出るほどに、堪能した。
どちらのチームも高いクオリティを持っている。しかしどちらのチームにも大事なパーツが欠けている。
無論彼らに限ったことではなく、他のチームにだって欠けているものは常にある。だが少なくともこの試合において、欠落度はポルトガルの方が高かった。
前戦オランダ戦でデコが貰った2枚のカードは、いずれも審判に責があるものだと思う。一枚は中断後のドロップボールによる再開でオランダがボールを返さず攻めようとしたものをやむなくハードタックルで止めたもの。もう一枚はどう見ても遅延など存在していない(むしろ食って掛かってきたコクーに非紳士的行為でカードを出すべきような)「遅延行為」によるもの。他にも乱発されたカードにより、累積出場停止になりかねない選手はごまんといる。言うなれば、「オランダには勝ったがロシアに負けた」(あの試合の主審はロシア人だった)ような満身創痍での戦い。
_だがしかし、試合はそんなところで分かれるような展開にならなかった。一言でいうなら「FW不足」。ハーグリーブスを4-1-4-1の底の1にアンカーとして置いたシステムは素晴らしいが、ルーニーはどう見てもワントップをこなせるとは言い難い。対するポルトガルのFWパウレタは、ぎりぎりワールドクラスに入れてやってもいい、というレベルの選手。明らかに中盤の構成力には不釣合いなものでしかない。
そして双方守備ブロックは粘り強く硬い。イングランドが攻撃の形を作れるのはベッカムがFKなりCKなりを蹴る瞬間のみ。対するポルトガルは攻撃の形こそ作るものの決め手を欠く。
_試合が動いたのは52分、ベッカムの負傷交代からだった。やむないこととは言え、ベンチに戻り顔を覆ったベッカムの落胆は目にも明らかなものだった。そして途端にイングランドの攻撃力がなりを潜める。加えて62分、ルーニーがやらかした。中盤での攻防でリカルド・カルバーリョの足を引っかけてファール、そこまではよかった。しかし駆け寄ってきたC・ロナウドに対し報復としか思えない突き押しが出る。あるいは何かの暴言もあったのかもしれない。おそらくはファールそのものではなく、その後の行為により一発レッド、退場。
_イングランドにはFWがいない。オーウェンは負傷で離脱、ウォルコットは正直数合わせ――ということでエリクソン監督の選択はクラウチ……ベッカム専用の電柱なのに?
そしてクラウチはベッカム専用オプションぶりを遺憾なく発揮した。ゴール前での動きは下手糞、ボール扱いにも不安がありまくり、とてもじゃないがポルトガル相手に前線で基点になれるようなクオリティではない。
さてそうなると、2年前のEUROでも見たエリクソン病が再発である。豪華なMF陣を有しながらやってることはイタリアばりの(やや精度の劣る)カテナチオ。ひたすらポルトガルに攻められっぱなし。パウレタを外してC・ロナウドをFWに上げたり疲労したフィーゴに代えてパウレタに劣るポスチガをやむなく入れたりというポルトガルのFWの弱さに感謝しろという展開。もちろんリオ・ファーディナンドとジョン・テリーのCDFコンビは素晴らしい活躍をしたが、フットボールというのはDFが頑張ったところで勝てるゲームではない。
_決め手を欠いたまま試合は延長に、そこでも同様の展開が続く。ボールを奪って前に出すがそこにいるのはクラウチ、その当たり弱さに願いをかけてファールを受けるのを期待して、見事FKを得たら少し攻める気を出してみる。お前らアメフトやってるんじゃねえんだぞ、と罵倒したくなるようなグダグダな試合運びしかできない「母国」。
唯一見所があったとすればポルトガルのフェリペ監督の対応か。イングランドで最も点が取れる匂いのするCDFコンビの上がりを阻止すべく、人材のミスマッチを覚悟でシステムを2トップに。これがおそらくは利いた。ポルトガルは攻め続けたが、得点は奪えなかった。そしてPKへ。
_そしてそのPKで、またも両者の違いが出た。
ポルトガルGKリカルドは一番手ランパードを止めたのをはじめ、三本のキックを止めてみせた。決められた一本にしても完全に読みきっていて、ボールサイドには飛んでいた。対するポルトガルは、キッカーが技巧に走りすぎて2本を外すものの、イングランドGKロビンソンは外れた2本も含めてほぼ完全に読みを外した。
完全にGKの差。極めて必然的に、ポルトガルがPK戦を制して、ベスト4進出。
仕事で失敗が重なってなんとなくどよんとしてたところに気やら生活習慣やらの緩みに対する(まるで小学生あたりに向けるような)お説教を喰らってますますヘコみ感Upな近頃。
いや、ガキに対する説教を至極冷静な口調でやっていただいた上司様には感謝の言葉を向けるぐらいしかないとは(理性は)理解しているわけですよ。だがタイミングが絶妙。いや、効果的と言えば効果的なんだけど、マイナス方向にも効果的というかー。
_ただでさえ思考が嫌な方向に連鎖しまくるありさまだったのに、雨が降りそうな空を見るだけでこの世の終わりのような絶望を感じるナイス状況に突入気味。いちおー昨日あたりに突発的に墓参りに行ってみるなどの対策はしてみましたが。
_まあなんだ、W杯期間中なおかげで家に籠ってても定期的に快楽が得られる時期でよかったな、なんて気もしてますが。
ゴールドベルグ変奏曲{五代ゆう、HJ文庫}読了。デビュー作前に書いた長篇を成文無調整でお送りというおよそありえない形式での出版でありながら、存外完成度の高い一冊でありました。中味はSFっぽいフレーバーが入っているだけで「骨牌使い〜」までの五代ゆうそのものですが! 言い替えればこの時点で第一期としては完成していて「骨牌使い〜」までは惰性に近かった(スケール感は増して行くんですが)んだなあ、というのを再確認。改めて、五代ゆうが日本ファンタジーノベル大賞に応募できていれば今頃どうなっていたのか、と考えさせられてしまったのでありました。
ということで、五代ゆう作品が好きな人ならまあ買えと。あとはネザーワールドシリーズ{東 佐紀 ,集英社スーパーダッシュ文庫}とか、戦う司書と恋する爆弾{山形 石雄,集英社スーパーダッシュ文庫}が好きな人とかにもオススメ。
フランスの守備ブロックは固い。だが総じて年齢の高い選手で構成されるそのブロックは、スピードに対する対処に不安がある。
対するポルトガルの守備ブロックは粘り強い。強固さという点ではやや劣るが、相手に最後の仕事をさせないという意識は徹底している。おまけに攻撃の主軸・アンリに対してはオランダ戦でロッベンを抑え込んだ右SBミゲルが対することになる。
_そんなわけで双方決め手を欠いたままPK戦にと予想をした。しかし試合は、審判の果敢な笛により動いた。今日の主審はとにかく吹かない。流れの中での接触にはとにかく寛容に試合を流す。けれど基準以上に危険なプレーには必ずと言っていいほど笛を吹く。それがたとえペナルティエリアの中であっても。
お互いじっくりと攻め合いながら、やや流れはポルトガルにあるかと見えた前半30分過ぎ、ペナルティエリアの中でリカルド・カルバーリョがアンリに対しファール。厳しい笛だと思ったが、スローで見ると確かにアンリの足を蹴ってしまっている。勇気ある笛によりPK。GKリカルドにコースこそ読まれたものの、ジダンの勢いあるシュートには触れることもかなわず、フランス先制。
こうなればポルトガルの猛攻開始である。幸い準々決勝には欠けていたコスティーニャとデコがいる。コスティーニャのもたらす守備の安定をベースに、デコが気の利いたパス、周囲と明らかに違うテンポで試合を作る。要所要所でC・ロナウドがスピードを活かした攻撃を見せる。しかしフランスはそれらを凌ぎ切って前半終了。
_後半。ポルトガルは更にスピード勝負を仕掛けるためか、リスク覚悟でミゲルが上がりはじめた。上がった裏をアンリに突かれるシーンも出たが、得点の気配は匂い始めた。だがそれが、続かなかった。60分になろうかというころ、フランスのペナルティエリア付近でのトリッキーなドリブルを軸にした突破を仕掛けたミゲルが、足を滑らせたか負傷。一度はピッチに戻ったが、そのまま62分にパウロ・フェレイラと交代。守備こそ安定したが攻撃の駒は確実に消える。
ポルトガルと審判との相性が、このへんから目に見えるようになってきた。倒されるだけでは笛が吹かれない。焦って激しいタックルをすると、それには忠実に笛が吹かれる。それで更に焦る。ポルトガルがそんな悪循環に陥り始める。創造的だったポジション流動が消え、出来かけていた攻撃の形が失われていく。
フェリペ監督はイングランド戦でも見せた形――C・ロナウドとポスチガの2トップを繰り出して、なんとか攻撃に厚みを持たせようとするが、その狙いは機能しない。対してフランスは、もう慣れたものだとばかりにじっくり守る。見かけの内容ではポルトガルが攻め続けたが、ペースは完全にフランスのものだった。ロスタイム、ポルトガルは獲得したCKに対してGKリカルドまでもが前線に上がって勝負をかけたが、実らなかった。
たとえ一度でも落ち着く機会があれば、ポルトガルに勝負の機会はあったろう。しかしその機会は訪れなかった。主審とポルトガルの戦い、という側面が大きくなってしまったきらいはあるが、そのようなメンタル勝負もまたフットボールというものだろう。
_やや幸運にも思えるPKの得点を守りきって、フランス勝利。再びの栄光は、訪れるのか。
今年のSF大会には行かないことにしたので仙台方向に向かう予定はなかったはず…がなぜか体感明日(物理今日)、豆満江開発機構の面子としてなんだかよくわからないイベントであるところの杜の奇跡9.25に参加、ということでやっぱり仙台方面へ行くことに。
持ち込み企画は非電源ゲームの会。軽めのボードゲーム、カードゲームを適当に用意していきますので、御縁がありましたら遊んでやってくださいませ。主催者様からは戦国大名とかシヴィライゼーションとか大胆な希望(?)も出ましたが、ぶっちゃけ時間内に終わらないので今回は断念ということで。どちらも所持はしているので、前泊イベントとかあるならやれないこともないけどなー。
_あ、もちろんW杯の3位決定戦は見てから行きますぜ? 睡眠時間? なにそれ?
確かにしばらくWizに触れてなかったなーということでWizardry・外伝 〜五つの試練〜を購入。
今はとりあえず旅人の財産 "Traveler's property"を攻略中……なんですが。B1Fから敵にクリティカル持ちが出てくるバランスとかどうなんざましょ? ノーリセットの完全ガチでやるにはあまりに辛いバランスが素敵すぎます。今は泣きそうになりながら経験値の大きさに惹きつけられてB7Fに強行してはウィスプかむかむと祈りつつ、数戦して逃げ帰るという展開を実施中。敵がブレスとか吐きまくりでThiefやMageのHPが足りなくて困ります。よりによってPriestがレベルドレイン喰らいまくったせいでLv11到達が遅くなってる = MADI(相当の呪文)を憶えてくれない、というのが今の悩み。リセットは、まあ、なんだ、エレメンタル軍団に先制ブレス連発されたときとかにはまあそのね。実際にはB5Fあたりでマスターレベルを目指すのが正しいんだろうなあ……。