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正直微妙かなー、と思っていたゼーガペインが第六話で一気に設定を開陳して急に面白くなってきた。超ぶっちゃけると「伊東岳彦人脈で作るエヴァ」なのだけれど、その計算ずくっぷりが大変にすばらしい。
ラーゼフォン=出渕やらアクエリオン=河森とかそんな感じで年に一作ぐらいはエヴァの再生産的プロダクトは発生しているのだけれど、ゼーガペインはついにエヴァと同じ平日18時台という時間帯を確保しているのが特徴的だと思う。ちなみに昨日導入したばかりのRDシリーズのおすすめサービスで総合16位、アニメに限ると5位。春新番アニメでゼーガペインより上位につけているのはNANAのみなので、このデータを鵜呑みにするなら今期開始のオリジナルアニメ作品としてはNo.1の人気を確保しているということになる。
あるいは(エヴァから)10年経過という絶妙な間の空き方とか。この10年の流行りものを絶妙に取り込みつつ、でも話の中心にはちゃんと伊東岳彦っぽいモチーフを据えている。宇宙英雄物語を追いかけていた身としてはワンポケット作家ぶりが垣間見えて面白い。だが同じものと感じさせまいとする手口の変え方は見事。
ということで、後からじわじわと人気が出てくる可能性は高いと思う。エヴァほど爆発するかってーと微妙なとこだけど。あと、プロジェクトとして再視聴環境を用意してないのはいまいち現代的でない。エウレカセブンの激しい再利用ぶりとかをもう少し見習って、深夜再放送枠を確保するとかすれば化ける…かな?
C.F氏に2巻が面白いと勧められたので買って読了。富士見ミステリー文庫なのにミステリしているというどうかと思う評もあるがまったく同感(ぉ
富士見ミステリーのなにがミステリーって、ちっともミステリーな話が出ないのにレーベル名に「ミステリー」と入っているあたりがミステリーなのに!
_…という与太はさておき読後にIRCでぐだぐだ話したログ。
1巻はタイトルに騙されて読めばタイトルに騙されたぐらいには面白かった。だが重要なのはやはり2巻。普通に出来がよくなっているうえに、選択したネタの開き直りっぷりも手伝って、手放しで褒めたいぐらいに面白い。2巻について言うならばタイトルと表紙絵の恥ずかしさが邪魔すぎる感。正直1巻の出来は微妙なので2巻だけ読むほうがいいような気もするが2巻を楽しむためには1巻を苦行と割り切って読むことをオススメ。いや、適正あるなら1巻も普通に面白いだろうけど。ということで(俺が)新作を読みたいので皆様是非買って読みましょう。
_ついでにIRCのログの中で出てきて既読の本についても。
ソウヤーのホミニッド三部作…は正直第一作以外読む価値は低い。1巻目はソウヤーらしいSFなのだけど、後になればなるほどSF分が低下して説教分が上昇するので。というか読後に「これなんてラノベ?」とか言いたくなること請け合い。
_コラプシウムの方は正直にすごい。ちゃんとハードSFでありながらきっちりスペースオペラであるというありえない2つのミックスが気持ちよい。ハヤカワSFを読めると思う人なら是非。というか、どう考えても表紙で損していると思うぞ、これ。
JASRAC、2005年度業績説明会を開催。ネット配信が停滞−著作権保護期間の延長不要論は「バカげている」
船村会長の以下の発言がステキすぎ。
「我々作家は一曲一曲魂を込めて、一生懸命作っている。これが命の綱。それをどんどん短くしろと言う。そんなバカな話はあるか?」
駆け出しの作曲家が同じこと言うんならまあ納得できるけどね、JASRACの会長とかいういかにも他人の著作権踏んでも握りつぶせそうな人が言うとまったく信用できない発言になるわけで。
_ところで旋律として認められる最小単位(4小節だか8小節だかだっけ?)の中で、一般的な12音階の下で発生可能な全てのパターンを網羅した楽曲というのを考えてみると面白い。実際には音符を無限に小さくできるので無理だけど、まあ64分音符ぐらいまででやればなんとかなるか。あと三連符と付点音符と複付点音符、休符ぐらいまでは網羅しよう。
という理論の下に出来るのは(音符&休符の列)×(音階の列)というマトリックスを展開しただけの楽曲。現代音楽としてはアリなんじゃないだろうか。'Matrix of all melody : 64'とかいうタイトルが付くとそれっぽい。
さてここでアイデアを開陳したけどこのアイデアはどこまで展開したら曲として認められるのか。曲として認められたとして、たぶん既存の楽曲の旋律をそのまま使ってる部分があるのでそのへんはどうなるのか。じゃあ法的に訴えられたらそこ削るよ、という曲にした場合にそれ以上(誰かが)楽曲を作ることってのは可能になるのか。もちろん音符は無限に小さくできるし7連符とか13連符とか作ればそっち方向でも無限に展開できるけどね。でもこいつを避けようと思ったら酷く不自然な歪んだ音楽の世界ができ上がることは間違いない。法律でその曲だけを禁止する? だったら分割するよ、適当なサイズ毎に。
…まあやらないけどね、誰かやってみると面白いんじゃない?
音楽著作権をhackしてみよう。の続き。ありうる音楽全ての列挙は可能か?ということでレスポンスを頂いたのでも少し詳しく、ということで。
_まずは小さいとこからということでパターンについて。ドラムパターンやコードなんかも問題にする人はいませんね。そのへんは(法的な例があるのかはわかりませんが)暗黙のうちに共有域として認められているような気が。
_で、本題。私の想定していた内容についても少し詳しく。
要するに音楽という絶大な大きさを持つ空間全てに(実効力のある形で)著作権という名の領有権を宣言してみるにはどうすればいいか、というのが音楽著作権をhackしてみよう。のミソなわけで。実際に全部列挙するのは無理(可聴域を気にしなければ音階は無限だし小節の分解も37拍子みたいに素数を使えば逃げようはいくらでもあるし)なので、現実的に演奏されている楽曲の大半をカバーできればいいや、というのがコンセプト。
音符の列の方の最大長は4小節×64(小節の分解能) = 256。音階が10オクターブだと120、せっかくなんで21オクターブにして12 × 21 + 1(休符) = 253で8ビット=1バイトに収めて最大長の長さに併せて用意して256バイト。分解した領域にどんな音符が来るのかとりあえず1バイトで表現するとしてこっちも256バイト。合わせて512バイトも領域を用意すれば十分なパターンに展開が可能。展開するのにどれだけ時間がかかるかはわからない(数億年規模?とか勝手に思ってましたがぜんぜん足りないみたいですね)けど、そのように動作するプログラムを書いてしまうことはできる。
_でまあ、展開して楽譜にするのはナンセンスな時間がかかりますが、一方で展開を行うプログラムなら現実的な時間で書ける。なんせ4096ビットのビット列を+1しては(変換して)吐き出すだけなので変換部分さえ正確ならバグもまずありえない。出力がビット形式でよければいくら桁数が多いとはいえ30分もあれば楽勝。で、このプログラムは見方を変えれば出力される(であろう)楽譜の圧縮形式であるとも言えるわけで。
この「圧縮された楽譜」は間違いなくプログラム著作物なので著作物なのは間違いないのですが、しかし以下のような疑問が続々と噴出します。
実際にやろうとした場合には「音楽としての創造性が認められない」という理屈でもって音楽著作物としての性質を否定されると思いますが。しかしそれが認められるならそれはそれでしめたものでFMC3みたいなものの合法性も承認される。ところでそのうち作曲できるレベルの(真の)人工知能が出来たらどうなるのか。
もっとも人工知能云々については状況が変わったとしてルールを変更するべき内容ですが。
_おまけ。私の想定でかかる展開時間の超大雑把な計算。大雑把すぎてオーダーすらあってない自信がありますがオーダーの正確さを考えるのも馬鹿らしい数字になったので。
512バイトは4096ビット、210≒103なので、
24096
= 26 * 2*4090
≒26 * 10(3*409)
= 64 * 101227
= 6.4 * 101228
1秒に100万個(=106)出力できるとして6.4 * 101222秒が必要。
1年はおよそ3.16 * 1010秒なので
6.4 * 101222 / 3.16 * 1010≒2.0 * 101212年
ちなみに現代の仮説によれば宇宙が始まってから長くても200億年 = 2 * 1010年ぐらいだそうですよ?
もう先週の金曜日のことになりますが、DiGRA JAPANの設立総会行ってきました。イベント全体のレポートは各所の記事に任せるとして。
産官学いずれにも足がかかっていない私がごちゃごちゃ言うのもなんですが、産業界と学術界がいかに交流できるか、ってのに全てが掛かっていると言っても過言ではないと思います。
現場にいて暗黙知は溜まっているけど研究発表するテクニックも時間もない現場の人と、知を形式化して研究発表するテクニックと時間はあるけど現場経験のない研究者。彼らが相互補完する場をとりあえず作っていこう、という意欲は感じました。
残念ながら現状は、質疑応答の場で某社の方が「学生へのゲーム基礎力とでもいうべきものの教育についてのイニイシアティブを取ってくれるとありがたい」などと言ったのに対し「学会はあくまで研究の場であってエッジを目指すのが第一義」と切って捨てるなど、相互に何を求めているかも曖昧な状態なわけですが。
_ひとつの参考になるかもしれないなと思ったのは、dotimpactさんのやってる方向で、研究論文の代わりに実装物とちょろっとした説明を置く、という発表スタイル。これなら現場の人は研究発表のテクニックとかを新規に身につける必要は薄いし、だいいちゲームのことは言葉で書くよりやってみるのが一番いい。でもってやった後でそれを言語化するのは研究者の仕事――みたいな分業が確立すればひとつの理想形かな、と思います。
超基本的には読んだ/聞いた/観た/遊んだ作品に対してはその時点で語る資格がある、とか思うわけですが。
他作品と比較するならその他作品も読んでいる必用があるし、なにより「語った以上その言葉は自分の責任」ってことだけ忘れなければ後はぶっちゃけどーでもいいのでは? ジャンル全体に及ぶような発言をするときはある程度の数を読んでる必要があるとは思うし、100冊とか1000冊とかのように大きなオーダーを摂取すれば見えるものが変わるのも確かだけれど。しかしそれを資格然と押し付けるのは年寄りの傲慢でしょー。
とはいえ「見落し/視点の欠如の指摘」と「年寄りの傲慢」がいかほど違うかというのは非常にびみょー。
REVさんの資格原理主義者を承けて。
私の方の語る為の資格は、REVさんの方の語る為の資格が特にギルド云々が冗談であることは承知の上で、冗談はさておき、母集団とサンプリングの問題かと思う
のあたりに対する補足というか異論というかのつもりで書いたものでした。そのへん説明ナシに書きたいことだけ書いたのは不親切でしたね。でも反省はしません(ぉ
_残念ながら後続のために道を用意するのは面倒です。「道を整備しないと◯◯が多すぎて面倒すぎる!」という怠惰が発揮される、あるいは同様の圧力が生じるような状況でもない限り、基本的に道を整備する奴なんて出てきません。
そんな道のない状況下では、「ググれ」「半年ROMれ」と宣告すること、それにより道らしきものを自力で発見できない人を(半ば意図して)脱落させること、はある面では正しいメソッドです。モノを調べる態度がないのなら語る資格はあっても語る価値はない可能性が高いですから、そういう方にはむしろ脱落していただきたい…というのは傲慢ですかそうですか。
というか「ググれ」はその時点において先人のかける及び後続のかけるコストを最小に保ったまま資料を発見する方法だったりするのでむしろ親切であると言うべきでしょう。
ところで先人に然るべき対価を提供してやってもらう、という手もあることはありますがこいつは結果としてまさしくギルドを形成することになりますね。まあ結局、代償なしに情報は得られんのです、という至極あたりまえのことを言ってこの段発散して終わり。
私の原稿は「ホリエモンも捕まったしそろそろ人生ゲームにもGO TO JAILが必要だ!」みたいな与太記事を書こうと思ったら非電源ゲームのコンポーネントがどうこうみたいな存外真面目な話に絶賛脱線中。
C.F氏の原稿は予告していたのとぜんぜん違うのが上がってくるし、別の人の上げるかもとか言ってた原稿は影も形も見当たらないし。もう予定なんて全力で未定ですね!
そんな毎度の感じですが、まあ本っぽい形の何かにはなるんじゃね? 印刷のタイムリミットは0828発のはやてに乗るべく俺が家を出なければならない0700周辺です。…なんだ、まだ6時間以上あるじゃん。
金曜日 東地区 “Q”ブロック 37a に配置されています。
ってなわけでGameDeep当選。新刊予定のvol.12は「ゲーム評論の難しさ」というキャッチーさ皆無のテーマでお送りする予定。vol.1、というか「ゲームの正しい因数分解」の焼き直し的な要素が強くなると思いますが、7年続けてれば少しは考えも深まったろう、ということで改めて挑んでみたいと思います。
ようやくRGN#2の受付が始まったので速攻で申し込みを完了…ってノミックかよ! しかもまがりなりにもゲームとしての体裁を持ってるのノーマルのノミックじゃなくて、ゲームとしての体裁すら放棄して開始時には環境だけが存在するミニマムノミック! 激しく物語視点寄りだったテーマ選択の前回に対して、真っ向勝負を挑むかのような激しくゲーム視点寄りな選択ときたら!
流石といえば流石なチョイスだけど、「コンピュータ・ゲームのデザインと物語についての研究会」という枠からするとすごい劇薬感がすでにぷんぷんと…。いや、個人的にはこっちのフィールドの方が得意なわけで大歓迎なんですけど!
_まあしかし、「ゲーム理論」と「人間の不合理さ:ゲーム理論に従わない」を同時に提示するにはこれ以上の題材はないとも思うわけで(*1)。
手前味噌だとGameDeepvol.3の「Game is Ring」とかvol.5の「ゲームは当然変質する」とかvol.11の「かくてゲームは変質する」あたりが近い領域を扱っている…はず。
_ちなみにノミック的な構造を応用して製品として展開させているゲームといえばもちろんMagic : the Gatheringに代表されるTCG/CCGが真っ先に思い付きますね。
ミニマムの方はといえば、FLUXXあたりを挙げておきたいと思います。FLUXXはノミックほど興味深いものではなく、むしろパーティー用の馬鹿ゲーなですが。
…というか、ひょっとして当日、FLUXXは持っていくべきなのか?
(*1)ノミックはオラクル(ゲーム理論のプレイヤー)的には「全員で勝利しましょう」という提案が即通って終わるという大概なクソゲーです。だが人間はなぜかそう遊ばない。