Whiteのふりーとーく

2003年3月後半

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3.19

@非妥協の結果

抗議自体は別に失策ではなかったとは言うものの、抗議するのにかかったコストと、抗議したことによって拡大したメーカーと販売店の圧轢は、明らかに負の成果なんじゃないかと思いますが。あまつさえ、「合法」と明白に判断されたせいで、適当な妥協点への落し込みすらできなくなったわけで。メーカー側が総取り=断固勝訴を夢見たせいで、別の魚(自主ルールの制定)も逃したんじゃないですかねぇ、とか思うのですよ。

カードがなかったわけではなく、カードを無駄使いしてしまった結果、ってのが今の状況じゃないでしょうか。そのくせこの上「不利だ不利だ」と騒ぎ立てるってのは、あまりにもわがままなもの言いじゃねぇか、と。

@前提

著作財産権を巡る議論に関する俯瞰的雑感。あるいはあれこれ反応したい代わりとも。

目立つ争点は大別して二つ。

前者はP2P配信技術を巡る擁護派とかが使う論調。後者は反ディズニー的な運動とかに関連してくる話。

で、よく見られるのが前者にかこつけて後者を正当化しようとする論調。これはベクトルどっち向きでもわりと一緒。これは政治活動という意味では正しい行為だが、本来わりと綺麗に分かれる別の話のような気もする。P2Pによる不当流通は阻止するべきかもしれないが、それを理由に無闇に著作財産権者の権利を拡大するのはよくない。逆に、著作財産権者の権利制限を理由に、。P2Pによる不当流通を正当化するのもよくない。

そのへんの落しどころとして、クリエイティブ・コモンズとかは良くできてるんじゃないかと思う。たとえ自分では使わなくとも、著作にまつわる権利がわりと綺麗に整理されているという一点だけで目を通しておく価値はある。


(*1)現行著作権法モデルでは、基本的に活版印刷術その他の「初期コストの高い大量複製技術」のみが考慮されている。

(*2)「文化を守り育てる」って考え方。


3.26

@

「名誉棄損より著作権侵害が通りやすい」の件については大人しく「団体間抗争のとばっちりで、ただでさえ話がややこしい著作権方面に余計な判例残すなゴルァ!」とか言えばいいんじゃないか、とか思ってみるテスト。

もっとも、判例としてはクソの役にも立ちゃしない(原告の訴えが適切すぎて「はいそうですね」としか言えない)という点を考えれば、この論旨では弱いかも。

しかしながら、著作権法の本来の精神という観点で考えれば、問題の裁判はむしろ「制度の援用も甚だしい」と言われかねないようなシロモノであるとも思います。もちろん日本の法律はそのような援用を禁じてはいませんが、もしも裁判官が大岡越前や遠山金四郎だったら「大人しく名誉毀損で訴えぬかこの痴者!」とか言われて終わりだったかもしれません。

「一度こういう援用を許してしまうと、なしくずし的に後続される恐れがある。著作権法の条文の強力さを考えると、それは食い止めておくべきだったのでは」――たぶんたっちゃんの主張を大雑把にまとめるとそんな感じで、まあこれは一理ある意見だと思います。しかし、裁判官がこれを食い止めるべきかというとそれは違うような気もします。そこまで大きな(政治的な)判断を、地方裁判所が下すのは少々行き過ぎというものでしょう。

条文ばかりが法ではないし、条文よりは法本来の精神の方に重きが置かれるべきであろう、というのが私の意見ですかね。「銃を持ってもいいけれど、自衛目的以外では使うなよ」というのが近いたとえなのかもしれません。著作権法が認める権利というのはそれだけ大きいし、だからこそ、利用する方も気をつけて運用する必要があるような気がします。


3.31

@花見頃

ようやっと仕事も一段落。しばらくは平穏な日々かと思っていると体重計が大台突入を告げている。これはいかんと判断し、本格的に自転車通勤再開。

さすがに明日で四月というか、あちらこちらで桜が花を開いている。あまつさえ、実質一本しかありえない自宅から会社への通勤路は、見事に花見の名所をつっ切るような道筋だ。車通りも激しい坂道を登りながら、しばしの花見。まだ六分ほどといったところ。

ビルの日陰に包まれて、そこだけ冬の桜などもみかけつつ。


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