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< 音楽著作権をhackしてみよう。 | DiGRA JAPAN設立総会行ってきました。 >
音楽著作権をhackしてみよう。の続き。ありうる音楽全ての列挙は可能か?ということでレスポンスを頂いたのでも少し詳しく、ということで。
_まずは小さいとこからということでパターンについて。ドラムパターンやコードなんかも問題にする人はいませんね。そのへんは(法的な例があるのかはわかりませんが)暗黙のうちに共有域として認められているような気が。
_で、本題。私の想定していた内容についても少し詳しく。
要するに音楽という絶大な大きさを持つ空間全てに(実効力のある形で)著作権という名の領有権を宣言してみるにはどうすればいいか、というのが音楽著作権をhackしてみよう。のミソなわけで。実際に全部列挙するのは無理(可聴域を気にしなければ音階は無限だし小節の分解も37拍子みたいに素数を使えば逃げようはいくらでもあるし)なので、現実的に演奏されている楽曲の大半をカバーできればいいや、というのがコンセプト。
音符の列の方の最大長は4小節×64(小節の分解能) = 256。音階が10オクターブだと120、せっかくなんで21オクターブにして12 × 21 + 1(休符) = 253で8ビット=1バイトに収めて最大長の長さに併せて用意して256バイト。分解した領域にどんな音符が来るのかとりあえず1バイトで表現するとしてこっちも256バイト。合わせて512バイトも領域を用意すれば十分なパターンに展開が可能。展開するのにどれだけ時間がかかるかはわからない(数億年規模?とか勝手に思ってましたがぜんぜん足りないみたいですね)けど、そのように動作するプログラムを書いてしまうことはできる。
_でまあ、展開して楽譜にするのはナンセンスな時間がかかりますが、一方で展開を行うプログラムなら現実的な時間で書ける。なんせ4096ビットのビット列を+1しては(変換して)吐き出すだけなので変換部分さえ正確ならバグもまずありえない。出力がビット形式でよければいくら桁数が多いとはいえ30分もあれば楽勝。で、このプログラムは見方を変えれば出力される(であろう)楽譜の圧縮形式であるとも言えるわけで。
この「圧縮された楽譜」は間違いなくプログラム著作物なので著作物なのは間違いないのですが、しかし以下のような疑問が続々と噴出します。
実際にやろうとした場合には「音楽としての創造性が認められない」という理屈でもって音楽著作物としての性質を否定されると思いますが。しかしそれが認められるならそれはそれでしめたものでFMC3みたいなものの合法性も承認される。ところでそのうち作曲できるレベルの(真の)人工知能が出来たらどうなるのか。
もっとも人工知能云々については状況が変わったとしてルールを変更するべき内容ですが。
_おまけ。私の想定でかかる展開時間の超大雑把な計算。大雑把すぎてオーダーすらあってない自信がありますがオーダーの正確さを考えるのも馬鹿らしい数字になったので。
512バイトは4096ビット、210≒103なので、
24096
= 26 * 2*4090
≒26 * 10(3*409)
= 64 * 101227
= 6.4 * 101228
1秒に100万個(=106)出力できるとして6.4 * 101222秒が必要。
1年はおよそ3.16 * 1010秒なので
6.4 * 101222 / 3.16 * 1010≒2.0 * 101212年
ちなみに現代の仮説によれば宇宙が始まってから長くても200億年 = 2 * 1010年ぐらいだそうですよ?
とくそん : >12 × 21 + 1(休符) = 253で8ビット=1バイト
想定してるのは単音のメロディーっぽいので、ここだけ突っ込み
12 × 21 + 1(休符) + 1(前と同じ高さの音を続ける) = 254で8ビット=1バイト
とすれば、256バイトで良いと思われ
わーい、10^598年で済むぞ(えー
てらしま : あまり音楽には詳しくないけど、人間が音をメロディとして認識するとき「オクターブ違い」は倍音なんだし、同じ音として聞くことができてしまうと思う。なので、メロディを出力するだけという意味では、想定するオクターブは一つでいいかもしれないかも? 著作権的にどうなのかはわからないけど。
white : 主旋律が数オクターブ飛ばしで一気に遷移する可能性は否定できないのでやっぱ数オクターブは必要でしょう。倍音相似が出るのはやむなし。