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EURO2004 グループリーグB イングランド×フランス

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EURO2004 グループリーグB イングランド×フランス

総評:誰が何と言おうとバルテズが神。

_前半からしてイングランドの守備が異様だった。

イングランドは4-4-2のダブルフラットライン――のはずだが、そうは思えなかった。

立ち上りこそ普通に守備をしていたが、次第にそれは異様な陣形に変化していった。4-4-0-2とか8-2とか言いたくなる形。とにかく中盤のラインが下がる。あっという間に最終ラインと混ざって、ゴール前を8人で守る形になる。狙いは全く明らかだ。ジダンにもアンリにも仕事をさせないこと。ゴール前にスペースが無ければアンリは怖くない。ゴール前にターゲットが無ければジダンは怖くない。

カウンターの機会すら捨てて、イングランドはとにかく守った。ボールを奪取しても前に受け手がいないので回らない。あっという間にフランスの中盤の守備網にかかり、再び攻撃を受ける。

だが、前半の終わり近くにベッカムのFKからランパードの頭で先制。何度かしかなかった攻撃の機会を、この上ない飛び道具(=ベッカムのFK)で得点に繋げた。

_後半。イングランドは何も変えなかった。まるでカテナチオだ。中盤でろくに守備をしない。ペナルティエリア外で激しく当たったりもしない。スペースを与えず、FKの機会も与えず、守る。

そんな折のカウンターで、ゲームが動きかけた。ルーニーの突進にシルヴェストルがやむなくペナルティエリア内でファウル、PK。蹴るのはベッカム。これが入ってジ・エンドか――と思われた。

だがこれを、バルテズが止めた。

信じられないファインプレイに、場が乱れた。動揺したイングランドの隙を付くようにカウンターが繰り出された。これが決まっていれば、バルテズのゲームとなったであろう。だが、決まらなかった。

_それから再びゲームが停滞した。イングランドは攻めない。フランスには高さのあるポストもPKを狙えるテクニカルなドリブラーも不在だ。バルテズのファインプレイが報われないまま、ゲームはロスタイムに入った。

_そこまでは、エリクソン監督のゲームプラン通りだったのだろう。

だがしかし、そこに至って再びゲームは動いた。まるで糸が切れたように、遂にイングランドがペナルティエリア近くでファウルを犯す。ダイレクトで決められる位置からのFK。ジダンが蹴り、ゴールに吸い込まれた。

ゲームプランが崩壊して、イングランドは慌てたのだろう。あるいは、失点を挽回しようと思ってしまったのかもしれない。まともな陣形で、イングランドは攻めようとした。フランスはその堅守でボールを奪った。ゴール前にはスペースがあった。スルーパスが打ち込まれ、この試合ずっと死んでいたアンリがそこに飛び出した。GKがたまらず止めに行ったが、遅い。PK。

蹴るのは再びジダン。ジェームスは奇跡を起こせず、ネットが揺れた。

_フランスは危うくポルトガルの二の舞になりかけたが、イングランドはギリシアと違って良きフットボールを実践していたわけではなかった。きっとそこに、幸運が微笑かけたのであろうと思う。

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