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定額給付金を評価する理由

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定額給付金を評価する理由

前から何度かそういうことがありましたが、なんででしょうねえ>コメントに書いたら消えた

ということでVidさんからお返事いただいたので定額給付金話の続きみたいなことを。

_まずは過去の政策との対比から。

ふるさと創生事業というのは「お金を配って普通の使いかたをさせない」という画期的すぎる政策でありました。金持ちの道楽を国庫の金で地方自治体にやらせるという論外の話なので比較するのもどうかと思います。よって比較対象からは外します。

地域振興券にはシステム的に明確な問題があったと思います。クーポン型では資金としての流動性が低いです。クーポンで買い物されると商店は換金という過程を経ないとそれをキャッシュフローに還流させることができません。現金ならすぐ次の仕入れに使えるのに。ということで、クーポン型は短期的には抑制効果となる可能性があり、むしろ地域経済を低迷させる恐れすらある。

_あと、クーポン型だと銀行にお金が入らないor入るタイミングが遅くなりますね。今回の定額給付金で評価できるのは「銀行振込にする」点です。これは即座に銀行のキャッシュフローの強化につながる。しかも国民が使う口座に比例して配れる。2兆円融資するよりもある意味効果的だと思います。

_あと例示に対してこういう突っこみを入れるのは本筋ではないのであれですが:「日本全土の小中学校の耐震工事」は本当に今必要でしょうか。そして十分なリターンがあるのでしょうか。仮に地震が起きたら潰れる学校が100校ばかり救えたとして、その100校に在籍する小中学生数万人の未来が救えたとして、彼らはいずれ国に2兆円返してくれますか? 100校ぐらい助かると微妙に届く気もしますが、残念ながら彼らの生涯年収合計が丁度2兆円ぐらいになる(当然税収はそれ以下になる)可能性もあります。

で、彼らの生涯年収合計をそれ以上にする効果がバラ撒くことで得られるんなら、耐震工事をするより子供の将来のためになる可能性はあるわけです。というこの段まるごと詭弁のガイドラインの見本のような段落ですが、まあそういうこと。

そもそも日本の耐震基準考えるとたとえ無対策でも100校も潰れるわけない気がするわけですが(そういう意味で本当に必要かを考えてから使うべき)。

_もちろん中長期的な経済対策は必須です。それをやらずに短期的対策だけし続けるとか阿呆の極みです。でも今回の定額給付金政策は、短期的対策としてはむしろ良くできていると思います。市場を回すのに必要なキャッシュフローを、より実体経済に沿った形で増やすことができるので。

誰かの思惑に乗っかるのではなく、国民が本当に欲しいところにお金が回るというのはとても重要だと思うのです。という物言いは、市場の調整機能を信じすぎですかそうですか。

でもグローバル経済がコケたおかげで、「半径2m」の経済ですら破綻する可能性が出てきたから、まずは「半径2m」に効果のあるような手を打ちましょう、というのが今回の定額給付金政策のまとめかただったと思うのですが。国家として考えたときに、そこに対して打つ手も必要だ、という。

しかしながら、なにより即断即決が重要な策だったので、もはや時期を逸しつつあるという意見にはある程度同意します。でもまだ短期的対策は必要でしょう。なにも手を打たないともう何度かぐらい不況の嵐が吹き荒れるように思います。だとすれば短期的対策として定額給付金はむしろ良策なんじゃねえの、と。

_あとついでにコメントにお返事もかな

定額減税の方が効率はよさそう、というのはあるかなぁ

効率の点ではごもっとも。でも定額減税は結果的に不均等なバラ撒きになってしまい、特に此度の不況で無職になってしまった方にはまったく効果が降ってこないあたりが難ですかね。

景気対策なら消費税1%減税がいいとおもう。

どうだろう。下げるといってから施行までの間に買い控えが起きてそれでキャッシュフロー足りなくなって倒産とか起きる危険性がある以上、今回のケースには使えないと思います。

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