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間に合わせの、完成に添えて〜After Note of "Along with Everything"〜


とりあえず、終わらせた。

これが、正直な感想である。
結局、自身が興味を失いつつあるのに書きはじめたのが失敗だったのかもしれない。一方で、あのころぼくは確かにこの物語が綴りたかったんだという記憶も、ある。

むしろ、それはこの話を終わらせた事によって想い出された記憶だ。
過去の文章と対面して、読み解いていく。対話めいたプロセスを経て、ひねり出す。ある意味、自分の中で「終わって」いたモノを、洗い直し、再構成する。残された短い尺で、どうにかこうにか、決着をつける。

では、完全な終わりでは、満足行く終わりではない?
そんなつもりはない。ぼくにできる最大限の決着なのだと、思う。

少なくとも、意味はある。

ぼくにとっての意味は、過去の自分と対面できたこと、ささやかな満足を手に入れたこと、そしてピリオドを打てたこと。
訣別の意志というには大げさかもしれないが、ようやくこれで長かった「ぼくのエヴァの季節」が終わる。

読んでくれたあなたには、意味があるのだろうか。
できれば意味があって欲しい、そう望むけれど――それはあなたが決める問題。

ぼくはぼくで、あとは誰かさんなんかにも決意をさせて、強引にでも引きずり込んで、ぼくらの道を切り拓いていく――ってこれはもうやっているのだけれど。
というわけで、あともうちょっと決着がどうこうを考えてから、ぼくらは次の旅に出る。願わくば、ささやかででも応援して欲しいと、宣伝しておこう。
エヴァの作った、せっかくの『つながり』が、新しい何かを産み出せることを祈って。

1999.1.20
配属先研究室がなんとか決まった日に。

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