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「魔法にかかったみたい」小考

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「魔法にかかったみたい」小考

去年だかに以前に一度だけやったことはあったのだけれど、そのときはあんまりよくわからないまま終わってしまっていたのだが、少し前に買ったのを先日プレイした。まじめに考えたのは今回が始めてかもしれない。

_コンポーネントの雰囲気と、実際に争奪していることとが、なんだかずれたゲームである。

リソースを変換して増やしていくロジックがあり、増やしたリソースを得点に変換するロジックがある、となれば「なんかリソースを増やしていけばそのうち勝てる」というのがこの手の雰囲気のゲームの常だ、と思う。

でも「魔法にかかったみたい」はちょっと勝手が違う。なんといってもこのゲーム、ゲームを通じてちっとも変換効率が向上しない。資源の変換レートは、ゲームを通じて常に一定なのである。

更に印象と実際が異なる点を指摘する。なんと、「魔法にかかったみたい」では「資源:得点の効率はゲームを通じて低下し続ける」のである。ゲーム開始時であれば資源1個が2点に変換できるが、ゲームを進めていくと、資源5個を費やしてようやく6点ということになる。しかも途中で変換効率が盛り上がることもない。ゲームを通じて資源から得点への変換効率は低下し続けるのである。だから、ゲームの序盤に点を取るのが実は最も効率がいい。対資源効率だけを考えるのならば、ではあるが。

_だが、プレイヤーの間に変換効率の差は発生する。それは、「魔法にかかったみたい」が変形トリックテイキングとでも言うべき、独特の動きでもって「獲得/変換のための行動」そのものを争奪するというシステムになっているからだ。

そう、たとえ資源を得点に変換したくとも、まずは「変換する権利」を得なければ変換することができないのであるから、重要なのは資源に対する効率よりも機会に対する効率なのかもしれないのである。そして、ゲームの後半に登場する(対資源効率の悪い)得点カードはむしろ対機会数効率では優秀なのだ。

_では機会数が大事だからやっぱり前半は資源を集めて後半に得点を、という印象どおりのセオリーが正しいかといえば、たぶんそうではない。まだ材料集めが念頭にあるような序盤の得点化行動は、資源効率が高い上に、機会争奪の点でも有利な可能性がある。

とはいえ魔法にかかったみたいの変形トリックテイキングは、オークションゲーム的なバランス構造にもなっているので、「序盤の得点化は強い」という認識を皆が共通で持てればそれなりにバランスが取れてしまうのであろう。

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