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< 環七シャトル | 家LANメンテ >
日曜日のこと。GameDeepは落選したのでジャンク・ヤードで売り子として参加。
しかし今回は人が多かった。ゼロアカで散々呷ってた影響だろう。しかしイベント内での位置づけではかなり安全策を取ってたこともあり、会場内の一角に別のイベントが間借りしているという空気。
ちなみにthen-dさんに頼まれて、という形でゼロアカものは全部買いという最悪のチョイスをやってきた。大勢に影響の出ない結果が出て良かったと少し思う。
そして人は多いが自分のところの本はいまいち売れない。けっきょくのところ、文学フリマは文学・文芸のイベントというよりは評論のイベントだよなあ、という感覚を強くする。実際GameDeepにとっては規模のわりに良く売れるいいイベントだという実感はある。
_さて、今回も14時過ぎあたりからの2Fの人たまり過ぎ状態は今回も健在で、それが1Fやらロビーやらに波及していたようにも思う。会場のキャパシティは明らかに越えているのだろう。そういう意味では次回(2009年5月)から蒲田のPiOに移るのは致し方ないところなのだろう。しかしやっぱりこのハコの「都心部」「駅近く」「劇場的空気感」という諸要素が文学フリマという場の空気を醸成するのに大いに寄与していた可能性は否定できない。
文学フリマの客層が同人誌即売会と違うのは、たとえば客の側の慣れてなさに顕著だ。列が作れないとか、なんとなくその場にたまってしまて動かないとか、そういう。特に顕著なのは数百円の買い物に10000円とか5000円とかをさっくり出してくることがあるところで、それも朝方一発目でやられたりすることもある。その筋の方ならこの異様ぶりがわかるかもしれない(そしてそうでない人にはわかるまいとも思う)。
文学フリマはそういう場所だ。同人誌即売会的には未訓練の素人が、書店流通している本との普通に比較することを念頭に置きながら、価値を認めた同人誌を買っていく。そういうヤバさが文学フリマにはある。そしてそれには「素人」が訪れやすい雰囲気や場所が必要で、山手線でも主要な結節点となる駅から徒歩1〜2分、というあの立地だからこそ、そんなフラットな土俵が形成されるのだと思う。
PiOにはそれはない。JR駅からだと延々歩かされることになり、京急蒲田駅からこそ近くはあるが幹線道路を挟んで離れ、「駅前」という雰囲気はかなり薄い。そこに今の空気を持っていけるかというと、やや難しいだろうと思う。それでも面白いイベントではありつづけるだろうが、「普通の」同人誌即売会に近づいてしまう可能性がどうして思い浮かんでしまう。それを跳ねのけるための指針、あるいは仕掛けとして、今回のゼロアカイベントは有効に機能するかもしれないが、一方でますます評論寄りの場となっていくことを思うと、微妙な気分になったりもする。
_あるいは文学フリマ向けに今は亡き(?) text jockeyみたいな企画をやればいいのかもしれないが。あの労力を誰が担うのかというのが辛いところだろうが。