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< 「ノベルゲーム」という分類語 | 仕事:ポポポインタに悩む >
先々月ぐらいからの念願だったEmpire Builderを先々週ぐらいだかにプレイした。先日提唱してみた仕事のトレードルールはもちろん導入してみた。
で、結果。やっぱり終盤のダレはそのままだった。
トレードルール導入が失敗とかそういう問題ではない。トレードルールによってそのへんを意識してみた結果、これは要するにゲームルールのデザインの根本からくる構造問題なんだな、ということを実感するに至った。
_最初に思い至った問題点は、「抽象化が足りない」だった。
Empire Builderのデザインには要素が多すぎる。資源の種類も多ければ、都市の数も多い。最近のドイツのボードゲーム風のデザイン作業を経たならば、どちらも半分程度に減らされることだろう。それから減らした結果に合わせてマップのサイズを決めればマップの面積も半分ぐらいになり、あとはプレイ時間も半分ぐらいになるだろう。
そのような、大胆に半分に削り落とすようなデザイン作業ができるのは、「現実の地図に基づいている」という前提を一度捨てて「ゲームルールとして適切であるか」を考慮するからだと思う。一度ゲームのルール全体を抽象化して眺めなおすことで、最適化を図ることができるというわけだ。
_その後つらつらと考えて思い至ったのは、「インフレーションのコントロールができていない」だった。序盤〜中盤にかけては「仕事をするために線路を引き、儲けた金でまた(次の仕事のための)線路を引く」というスパイラルが回る。その回転の隙間をいかに詰められるか、というあたりが差を作る要素になる。
このとき、だんだん路線が延びていくことによって、一回の仕事から得られる収益も徐々に大きくなっていく。だから、中盤までゲームは順調にインフレーションしていくことになる。ところがゲームが終盤に至ると、既存の路線だけで仕事がこなせてしまうようになる。結果、単位時間あたりに得られる収入量があるところで上限に張り付いてしまうのではないか。
しかしそれが張り付くのは困る。序盤〜中盤にできた差が、累加的に蓄積されているからだ。この差を埋めるためには、「もっと収入量を増やす」ことができないといけない。しかしEmpire Builderにはそのための手段が存在しない。負けているものがリスク覚悟で選ぶ手段に欠ける。
しかもメカニズム的に他のプレイヤーとの直接的なインタラクションにも乏しい。ということで差を作っていく段階(序盤〜中盤)は面白いのだが、そこでできた差を単に並行するだけとなる終盤は詰まらない、という状況に陥るわけだ。
_いっそ速度36だが搭載量1の列車とか、速度6だが搭載量6の列車とか、そういう阿呆な選択肢を用意するのはどうだろう、とか思ってみた。多分試さない。
Tsukasa :
あれだ、列車の最終形がひとつしかないのが問題だと思うのだ。
12−3の列車がない、ということになると悩みは大きくなると思うのだが。
(9−3か12−2で終わってしまえばいいのかな、と。
それか、1830のように車両数制限があるとか)
white : 列車のグレードアップはゲーム上の楽しみのウェイトとして大きいので微妙な気が。12-3と同格のものとして9-4とか18-2とか用意するのはどうだろう。あるいはもう一段アップグレード図を深くしてみるとか(結果的にゲームの進行速度が上がることも期待)。
「(完全に)空荷の状態だと速度が上がる」というルールとかも考慮の余地はあるか。全捨て回送するor高額商品を維持する、回送ついでの仕事をするかしないか、というあたりで選択が発生すると思う。
Tsukasa : 18-2じゃなくて15-2かなぁ。でも、これだとリスクに比べて得られるリターンが少ないかな。
white : いちおう「搭載量多い」よりは「速度速い」の方がちょっぴり強いと思うので、やや減らすべきというのは同感だけれど。3段階目が9-4/12-3/16-2、4段階目が12-4/16-3/21-2とか? あと、「後の人ほどアップグレードコストが安くなる」とかのメカニズムを導入するという手もありそう。もっとやりすぎた手段としては「2両目が購入できる」とかな。
Tsukasa : 2両目は、ねぇ。ただの倉庫と化すのでやめた方が。