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適切な・システム

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適切な・システム

あわせて読みたい→COBOLは悪くないと思うよ。年金問題はコンピュータの問題。あくまで話の枕の部分の記述ではあるが、それにしたってこれはひどい。

_そんな古いものを使っていれば、数字が無茶苦茶になって倒産するってフレーズとか実はギャグでやっているんだろうと疑いたくなるぐらいにひどい。聞きかじった話を「古いもの=壊れる」という自分の身体感覚だけで解釈してしまったのではないか。

(コンピュータ)システムを取り換えるのは、能力不足を解消するためというのが多いだろう。しかし社保庁のシステムのような場合、一度システムを作ってしまえば必要な処理量が当初の想定を大きく越えることはない。

_企業の、営利活動のためのシステムであれば、売り上げが伸びれば規模も大きくなるから、一定間隔での更新が必要になるだろう。またこのとき、最初に小さなシステムを作り、後から更新していくのは合理的な行動である。大きなシステムを作るのにはそれだけお金もかかる。

でも年金処理では話はまったく違う。規模は最初からわかっていて、しかもあまり変動しない。対象は国民全体なのが明白だし、いきなり人口が2倍になりました、なんてことも(たぶん)ない。規模が不変なら、「最初は小さく、後から大きく」という経済性の問題は発生しない。

だから40年前にできあがったシステムは、適切な大きさのシステムになってるはずだ。大きさが適切なのに、システムを更新する必要はない。制度そのものが変わりでもしない限りは「使える」システムであり続ける。

同じ記事で書いているように「システムの移行時には不具合は起こる」のだから、今動いているものを理由もなしに無理に変えるのは愚かなことだ。仮に新しいシステムを導入するのなら、大幅な対応が必要なタイミング:年金制度改革の内容が固まってからにするべきだろう。でないと明らかな二度手間になる。

_あくまで枝葉の話だから記事全体がどうこうとは思わないが、田原氏にシステムのことを話すセンスがないのだけはよくわかった。ところで政治の担う大きな仕事のひとつには「システムをどう作るか」って話が存在していると思うのだけれどね。

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white : 「このジャーナリストは○○年前に産まれたもので古くて無茶苦茶だから、新しいものに取り替えよう」という下品な皮肉も可能だな、と気づいてみた。まあ、「古い」こと *だけ* を基準にするのは間違ってる、というだけのお話。

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