Whiteのふりーとーく

ドラフティングゲームス・週末ゲーム会記録

About this Page |過去分一覧

近頃版/another blog@hatena/Wiki/BBS

< 第1話感想群2007春(2) + α | 世界樹の迷宮 >

 

ドラフティングゲームス・週末ゲーム会記録

自宅にて週末ゲーム会を久々に実施。

遊んだゲームは以下の通り

_3人カタンバリアント。3人だとどうしてもゲーム展開がゆるくなる、のは勝ち筋(=点数獲得手段)が多すぎるからだ、という仮説に基づいて最長交易路ルールを外してみた。結果は微妙。外すのならば最大騎士力の方が良かったかもしれない(騎士力はもともと逆転しにくい、そのうえ「騎士力で勝る=ゲームコントロール力で勝る」なので、「ゲーム展開上抜けた人間」へのボーナスとなってしまう:主に決着を早める装置として機能してしまうので)。問題は、最大騎士力がなくなってそれでもお前はカードを引くのか、というあたりか(その点はデッキから騎士の枚数を減らすとかの調整でごまかせる気もする)。あるいは道/騎士王を両方残して、ただし+2点のところを+1点にするという案も出た。難点は逆転装置としての効果が弱くなること。

_続く3つのゲーム、Coloretto、Yspahan、王への請願はよく考えるとどれもこれも「ドラフト」がルールにおいて主要な位置を占めるゲームだった。

_Colorettoはとにかく単純さが魅力のゲーム。ドラフトっぽさはちょっと弱い。よく考えると結局のところ引き勝負なのだけれど、ドラフトしてる間の(ジレンマの)楽しさがきちんと確保しているので十分遊べる。1ゲームも短いのでなんとなくだらだら続いてしまう系だ。

_Yspahan。ゲーム概要はmoon Gamerの記事、つくばゲーム会 (11/17)が詳しいのでリンクしておこう。ドラフトされるのは手番で行う行動なのだが、問題はその中身がサイコロ9個を振って決定されるという点。行動の書かれたカードパックを開ける代わりにサイコロを振ってドラフトされる中身を決めるといった風情になる。しかし単純な運勝負ではなく、選択肢がしょぼいときにメリットを「後回し」にしておくための「カードを引く」選択肢や、ボード上での勢力争いとは別の得点ルートである「キャラバン」などが用意されていて、運を行動選択によって(ある程度)克服していける、運と選択のバランスが取れたゲームだと思った。

_王への請願

これは実にエレガントなゲームだ。ドラフトをルールの根幹に据えた佳作、妖精奇譚で感じた淡白さという不満が、「カードを取る部分にチャレンジを設定する」ことで克服されていて、こんなデザインがあったのか!と驚いた。

ゲームの流れは、「サイコロを振って役を作る」「出来た役で取れるカードを1枚選んで取る」という単純なもの。これを繰り返すのだが、カードには振るサイコロの数を増やす、サイコロの目を操作する、などの効果を持っている。こうして能力をだんだん増やしていき、より難しい役に挑戦していく、というもの。

カードで得られる能力は大別すると「サイコロを増やす」「目の操作」の2系統。ゲームの終了に到達するためには、最初は3個のサイコロを最低でも7個まで増やす必要がある。だから「目の操作」は一見遠回りな選択肢だ。

しかし単純に目を増やす選択をしていると、どこかで限界がくる。目を増やすための役が作るのに失敗して、仕方なく(失敗の結果役を満たした)「目の操作」なカードを取ることになる。一方目の操作を先行させて遠回りしていたプレイヤーは(ちゃんと考えてプレイすれば)その難しい役をサクッと作ることができて、気付くと先にサイコロを増やしたプレイヤーに追いついてしまうようになっている。

プレイヤーは「増やす」戦略と「操作する」戦略の間を否応ナシに行き来しながら、少しずつサイコロの数を増やしていくことになるわけだ。ダイスポーカーの亜種という単純な基本ルールでありながら、カードの枚数や能力、獲得のための役の設定を工夫することで、深みのあるゲームに仕上がっている。初期に取れる操作カードが地味に見えて、実は他のカードとの組み合わせや振るサイコロの増加により、終盤になるほど威力を増すようになっている点なども興味深い。

ゲームの最後が「ゴールの役を完成させたら」ではなく、「誰かがゴールに到達した後、最終決戦フェイズで最強の役を作った人の勝ち」なのがややがっかりかとも思ったが、よくよく考えると単純な剛運でゴールに到達されて興醒めするよりはよっぽどましな作りだ。むしろ、あくまでルールの枠を壊さずに(勝利点などの余計な概念を入れずに)決着をつける形になっている。

とにかくシンプルだが魅力的なルールのゲーム。追加ルールの登場や、真似をした亜種の登場を期待したい。

TrackBack ping url:

Wayne : 3人カタンの私の感想は「土地が広すぎる」なんですけど、これを解消するのは結構難しそうですね。二人まで減っている場合は、通常2本離れないと建てられない家を3本離しまで増やす、というバリアントを聞いたことがありますが、三人でこれをやると逆に土地が狭くて誰かが息を詰めてしまうのが容易に予想できます。かといって沙漠を増やせば解決するのか、というと、恐らくそう簡単な話でもないでしょうし…

white : メカニズム的には有効面積が3/4になってなきゃいけないはずなので、「土地が広すぎる」は単なる感想ではなく事実だと思います。砂漠を増やすのは出目間のバランスも悪くなるので微妙ですね。「最大騎士力抜き」ルールは、最長交易路の重みが大きくなる→配置が最長交易路を意識して歪む、という結果を招くことができればそれなりに効果があるかも、とかも思ってます。

izutsu : 島を狭くするのは2D6と相性が悪い・・・
2D4にして島を13ヘックス(2/3/3/3/2枚の5列)で作ると・・・これは激しく狭そう。4人のカタンは外周の長さと中の面積のバランスが取れてるってことかぁ、と、かつて愚考した記憶があります。

田晋 : RulesOfPlayにダイスゲームの分析をしている章がいくつかあったと思いますが、そのどこかに、「単純なゴール先着だとターンの順番による影響が大きすぎて興を削ぐことがある問題」をどうするかについての記述があったと記憶しています。

てらしま : カタンの場合は、ターン順の問題は乱数がだいぶキャンセルしていて、これは人数が変わってもそれほど影響のない部分かと思います。

>2D4にして島を13ヘックス(2/3/3/3/2枚の5列)で作ると・・・
 いま思ったけど、13マスで考えると、タイルを正方形にすればちゃんと丸く(ひし形だけど)並べられますね。外周は減りすぎだし開拓地を置けるポイントはもっと減ってますが(笑)

white : 1地形の周囲に(プレイヤー数 - 1) 人が配置可能というのも維持されますね、とか言えばちょっとよさげですが、内側の減りっぷりとかが激しすぎて流石にムリな気が(笑)>正方形カタン

Wayne : 正方形カタンは一度ゲームバランスを体験してみる価値はあるかもしれませんけど、最大の難点は標準のカタンセットじゃ遊べないってことじゃ…
仮に3人でかなり遊べるゲームバランスだったとしても、「カタンやろうぜ!」->「3人しか集まらねえー」->「じゃあスクエアカタンで」という流れを作るのはとても難しい気がします。

名前

TrackBack:


御意見・御感想の宛先white@niu.ne.jp