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そこらの新聞よりも記事が要点を抑えてそうなのでINTERNET Watchより「Winny」開発者の金子勇氏に罰金150万円の有罪判決。
「それ自体はP2P技術としてさまざまな分野に応用可能な有意義なものであり、技術としては価値中立的なもの」という判断を前堤にした上で、「幇助として問われるかどうかは、現実の利用状況や本人の認識による」とし、実際に状況等を考慮した結果の判決。論理構成に大きな破綻はなく、司法としては可能な範囲でバランスの取れたいい仕事をした、と言ってもいいだろう。
本人の認識が希薄なまま開発して結果悪用されてしまった場合にどう判断するか、という点が今後の課題となるだろうか。ただ本件について言うならば、もはや控訴審で覆るようなものではなさそうだ。
_と、判決自体は筋が良いものだと思うのだけれど、むしろ目下の問題はマスコミでの伝え方だと思う。
判決が前堤としている「技術自体は中立」のあたりをすっとばして「有罪」を喧伝されるのが恐い。なにしろこの件に関してTV局はちっとも中立でない(著作権侵害されたと思ってるはず)のだから。当事者の言うことなんてバイアスかかって当然だものね。
今回の判決は、平凡で妥当な「技術開発するのはいいけど守るべきモラルは守れよ」というものでしかない。ただ、読み方/見せ方で情報はいかようにも歪めることができる。平凡で妥当な判断を、いかに歪めて見せる/使う奴がいるか。そのへんに今後は気を付けないといけないだろう(――というのもまた平凡で妥当な話、か)。