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< {GameDeep}「神は乱数である」 | 乱数と神 >
江洲さんの歴史と政治とに対する返答。
まずは私の行ったどちらの指摘も本来の論旨にまで大きく影響を及ぼすものではないことについて同意します。
_第1点:歴史学というものについて
江洲さんが記述の中で歴史と政治を区別していた、という主張については受けいれたいと思います。
しかしそれでも、「この二つが別民族といふ見解が歴史的に問題となつたことはなかつた筈」という見解には異を唱えます。2つに別民族と呼べるほどの差異があったがどうか自体を探究するのは歴史学の目的そのものです。たとえ対象がなんであろうとも、過去という不確定なものを取り扱う歴史学というものの性質からして、今なお問題であり、また問題であり続けるはずでしょう。実際、新たな証拠が見付かれば、歴史は更新されていくものなのですから。
_第2点:「民族」について
嚴密に區別したとしても「日本は一民族であると言へる」「日本は一民族であると言へない」が兩立することには變はりがないことには同意します。ですが、"nation"と"ethnic group"の区別が付いていればもっと議論がスマートに進んだのでは、とは思い指摘した次第です。所詮は仮定でしかも後知恵であるのですが、それでも
「日本は一民族であると言へる」「日本は一民族であると言へない」の両文における「民族」は意味合いが違うと思いますので。
なお、この点について、主張に不備があったかどうかを議論する意図はありません。ただし、より明確な方法はありえたろうという指摘ですので、結果として不備を指摘している可能性があることは否定しません。
_ついでにあまり関係ないのですが大臣発言について自分の意見を述べておきますと、「言いたいことはわかるし、そう言う方が明確だというのもわかるけど、いかにも一部メディアが挙げ足取りそうな発言だろう」と思っています。所謂「民族問題」が現在の日本では実感できるものではない、のは事実でしょうから。