スケールとマーケティング
同居人の日記でちょこっと書かれた「ラノベ規模の市場では(漫画的な)マーケティングは成り立たない」という話をきちんと書き残しておこうと思うので殴り書き。つうか元はコミケのときのYさんの話の受け売りなんだが、ここでは枝葉は切り飛ばして(よくあるように枝葉の方が面白かったのだが)肝心のロジックに話を絞る。
_で、だいたい以下のような話。
- ラノベは漫画の手法を非常に参考にしている、ので漫画同様のマーケティングを行おうとしている
- しかし漫画雑誌は出ている数・ペースが違う
- 多いと週刊で100万以上、少なくても月〜隔月刊で数万
- 対するラノベにおいては、ある作家が出せる本は2〜3ヶ月に1冊で部数は数千〜数万。
- ある作者に対する一ヶ月あたりのアンケート返答数を大雑把に考えてみる
- アンケート返答率が1%程度だとする。
- 売れ数×月刊行数×返答率が返答数となるはず。
- おおむね辛目に計算するとして:
- 週刊漫画雑誌 100万 × 4 × 1% = 40000
- 月間漫画雑誌 10万 × 1 × 1% = 1000
- ライトノベル 6千 ×1/3× 1% = 20
- アンケート等から統計的に有意なデータを引き出すには最低200程度の返答が欲しい。できればもっと。
- 漫画雑誌は一回出せばその水準のデータが得られちゃう。
- ラノベは(上記の計算からすれば)この水準に達するデータを得るのに1年ぐらいかかる。
- 文字通りオーダーが違う
- ラノベにおいて(統計的に)信用できるデータは事実上「売れた数」以外にないはず。
- 雑誌を出せば多少は緩和されるはずだが…雑誌出してるレーベルってどのぐらいある?
ということで、(受動型の)アンケートが(おそらく)役に立たない以上、編集の目利きでしか世界は動かないのではないか、と思う次第。
_当然ながら、信憑性については保証しない。そのつもりで。
通りすがり : 雑誌では読者それぞれの目に、読まない作品も入ってくるけれど、小説やエロゲは好みの人が購買層になるからさらに、って感じもあるかもしれませんね。
white : 雑誌の話については自己トラックバックしてあるフォローアップのエントリにて若干説明を入れました。アンケートとしての有効性は雑誌の方が圧倒的に上ですね。