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< 職場環境 | for 'modern' blog (4.5) >
そんなわけでネタはばらしてないけど中身についてはいろいろ言っているので以下注意。
_とりあえず見て思ったのは、後輩が人狼について言っていた感想であるところの「押井がいつもの話をやろうとするのを沖浦が頑張って抑え付けた」かなあ。むしろそれの逆?とでも言うべきか。
まあなんというか、とりあえず出崎でした。しかしこれがぜんぜん効果的じゃねえのなんのって。
なにやらちぐはぐ感じが強い、もっと脚本側に倒すか監督側に倒すかそのへんはっきりせんかい、というようなフィルムでありました。しかしながら全体としてそれなりにまとまってるように思えてしまうのは良くも悪くも出崎演出のアクの強さのせいでしょう。
_見たもの及びパンフレットの記述から想像するなら、脚本と監督のガチバトルでずたずたになった原型を、監督が勘違いしたまま強引に決着させ、それを作画が頑張って軌道修正しようとするんだけど、いい感じになるたびに出崎演出が炸裂して台無しに――みたいな感じですか。
_ちぐはぐな要素は画面作り、脚本、物語の原理、あたりが顕著。
脚本は、ところどころに見えるオリジナルエピソード的な断片の出来の良さが、脚本家のAIRという原作に対する深い愛情を感じさせます。しかしながら、そこに容赦なく降りかかる出崎監督の持ち込む汗臭い男性原理的物語。
画面作りの方も似たような感じで、非出崎な世界はそれなりに現代的なアニメっぽく動いているのです。そしてこれが演出する空気感には原作に通じる現代的なものを感じる。そのくせ出崎演出が来るときは旧に画面が古ぼけるわけです。それがまたAIRという作品に合わないのなんのって。
それはまるで、断固として青であるところの原作のイメージカラーを出崎監督がなんとしても自分のカラーであるところの白にするぜ!とばかりに大虐殺を敢行したかのような勢いで。
_一言で言ってしまえば「AIRのような何か with 出崎」って感じでありました。俺ァ「青空」聞いてこんな微妙な気分になれるたぁ思いませんでした。まあインパクトはの強かったです。あと、「雲のむこう、約束の場所」よりは映画だったかもしれません。
_それにしたって映画館出てからのせいるさんは笑い過ぎでした。や、せいるさんが笑っててくれなかったら私達の微妙な気持ちはもやもやしたままだったような気もするのでそーゆー意味では感謝なのかもでありますけれど。