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< EURO2004 準々決勝 フランス×ギリシア | (no title) >
こういう大会だと、グループリーグの後の数試合には、必ず付きまとうジレンマがある。必ずと言っていいほど、何試合かはこういう試合が生まれる。どちらも勝利するべき試合、そして運命が正規の時間の間に決着をもたらさなかった試合である。
これは、そんな試合だった。
_グループリーグのオランダは、甦っていく過程そのものだった。不甲斐ないドイツ戦があり、至上に近いパフォーマンスを見せながら相手にそれ以上の力で叩き伏せられたチェコ戦があり、その敗戦から好パフォーマンスだけを受け継いだようなラトヴィア戦でチームはチームとしての姿を獲得した。
対して、スウェーデンは大会が始まった瞬間からほぼベストなパフォーマンスを発揮し続けている。やや守備的ながらもメリハリの効いた好試合を展開し、ここまでを順当に(と言うべきであろう)戦ってきた。
_素晴らしい試合だった。
ドラマは120分に渡り繰り返された。サイド、中央、ロングボール、ショートパス――あらゆる手段を使って攻撃を仕掛けていくオランダと、それを受け止めた上で極めて組織的なカウンターを幾度も繰り出すスウェーデン。互いになすべきことをなし、けれど結果は生まれなかった。こういう試合を決める天佑は、いずれにも微笑まなかった。
_だが大会は結果を求める。人は天に逆らってでも、どちらかに天佑を傾けねばならない。PK戦、そしてオランダが勝利。いずれもが勝つべき試合であったが、サイコロはそのような目を出した。