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EURO2004 準々決勝 フランス×ギリシア

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EURO2004 準々決勝 フランス×ギリシア

どうにかこうにかグループリーグは突破したものの、ジダンもアンリも今ひとつなフランス。対するは、開幕戦のパフォーマンスが決してフロックではないことをグループリーグを通して証明してきたギリシア。

_ポルトガルに対してもそうしたように、相手にボールを持たせた上で中盤からの積極的な守備とカウンターで戦うギリシャ。勿論フランスは、タレントを活かしたポゼッション・フットボールで挑む。

フランスが攻め、ギリシアが素早いカウンターで反撃する。ポルトガル戦とまったく同様の展開に、常に匂いは漂っていた。ギリシアは決して引いて守るチームではない。ボール支配こそ相手に与えるが、中盤から積極的に守備を展開し、相手のボール支配を攻撃機会に転じさせない。

対するフランスは、やはりチームとしてのバランスを欠いていた。アンリは前線から守備を展開し、中盤〜サイドでの突破をベースとするゲームメイカー的FWだ。むしろギリシアのようなチームでこそ力を発揮する選手だろう。だがアンリは、得意な役割を与えられずに漂泊していた。あるいはジダンも、本来求められる機能を果たしていなかった。ボールは持っていられる。だから、攻めて行くことはできる。だが、決して圧倒的ではない。それでもチーム然として見えるのは、やはり個々の能力の高さだろう。だが、決して組織的なチームではなかった。

_やるべきことをやっているのは、明らかにギリシアだった。フランスは悪くはないが、良くもなかった。だが、ギリシアは良いチームだった。

果たして。65分、ギリシアがゴールに一撃を突き刺した。

その数分後に、サンティニ監督がようやく動いた。サア、ヴィルトールを投入し、その数分後にはロタンを投入した。特にサアの傲然と形容したくなるセンターフォワード然とした攻撃と、執拗なロタンのサイドアタックは、ずっとフランスに欠落していた得点の匂いをようやくもたらした。だが、遅かったのだろう。フランスは試合のペースを遂に掴むことはできず、ゲームは終わった。

_大金星――この勝利はそう評されるだろう。だがそう呼ぶには、あまりにフランスは不甲斐なかった。もちろん、最上の仕事をしたギリシア代表、あるいはギリシア代表に統率をもたらしたレーハーゲル監督は賞讃されるべきだろう。

しかしフランス代表は、事実上ジダンを欠いていた。そして、ジダンを欠いたときのビジョンを見出せないままで、終わったのだ。サンティニ監督の仕事はフランスというチームのポテンシャルを信じることだったのだろう。だが信じて継続するという選択は、もっとも大事な大会で裏切られるという結果をもたらした。ジダンのフランス代表の最後ということを考えるなら、これはあまりに不甲斐なく、悲しい試合だった。

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