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< PD | 復活の地 I[小川一水、早川JA文庫、ISBN:415030761X] >
組織的な堅守とカウンターのギリシア、ひたすら技巧的なポルトガル。
開催国でもあるしポルトガル有利かと思われたけど、相性で言えばギリシアは最悪の相手。
そして戦前からのプラン通りという感じで、立上りでギリシアの鋭いカウンターが見事に決まって0-1。それからもギリシアはボールは持たれつつも激しい守備でスペースは与えず狙い通りにゲームをコントロールしていく。それにしても、ポルトガルのディフェンスの弱いこと。ギリシャとは好対照に、スペースを潰す意識に欠けたボールだけを見てしまっている。対人で強いとも言えない。
それでも時折攻撃の形を作ってしまえるポルトガルのテクニックは素晴らしい。ポゼッションの高さもあって、ポルトガルが徐々にペースを掴んでいったか、というあたりで前半終了。
_後半。ポルトガルはデコとクリスティアーノ・ロナウドを投入。掴みかけたペースを一気に手繰り寄せるための交替だろう。しかしポルトガルの守備は相変わらず型がなく、カウンターを喰らったところでクリスティアーノ・ロナウドが相手を倒してギリシアがPKを獲得。これが決まって、おそらくここで勝負あったのだろう。
そこからもポルトガルは攻めたが、ゲームは完全にギリシアのコントロール下にあった。相変わらずギリシアの守備は激しく、ポルトガルは好対照にルーズなパスゲームを続けようとする。これでは流れが変わるはずもない。幸運な一撃も飛び出さない。70分を過ぎてもギリシアの運動量は落ちなかったあたりで、もう勝負は決まったと思った。
_ロスタイムに入ってからCKで点こそ取ったが、結局ポルトガルはゲームの流れを切替えられないまま、地元開催の開幕戦で敗北を喫した。
これしかないというゲームプランを忠実に遂行したギリシアが「攻撃的に行くか、もっと攻撃的に行くか」というオプションしかないポルトガルを見事に計算通りに叩き伏せた。そんなゲームだった。