ふりーとーくのTips:

ベクフットの虜

『クレギオン ベクフットの虜』 富士見ファンタジア文庫刊 著者:野尻 抱介 ISBN4-8291-2820-8、「クレギオン」シリーズの7冊目。
(ちなみにこのファイルの名前はいいかげんなので信用しないように)
偉そうに紹介しておきながらクレギオンシリーズ読んだのはこれが初めてだったりするが、感想は「予想通り満足」といった感じ。氏の得意な展開通りにきちっと読ませてくれた。
なにがどう予想通りなのかって、氏のもう一つのシリーズ「ロケットガール」と同じく「SF的なギミックをライトノベルの中で上手に料理する」という雰囲気が、である。ただし、こちらの方が(ロケットガールに比して)SF的だと思う。
その一方で、「なんで富士見ファンタジアかなぁ」という感を抱くのも事実。しかし、決して富士見ファンタジアでないということもないんだよな。ちゃんとSFなのに。
SFなのにライトノベルという、非常に摩訶不思議なものであるが、むしろSF好きの人にお薦めする。SFって、こうもわかりやすく書けるのかと目から鱗が落ちる、かもしれない。
個人的には、野尻氏は日本SF界の将来を担う作家になると信じている。つーか、すでに一端を担っているとは思う。氏のホームページ「野尻抱介 リファレンス・マニュアル」はこちら。おそらくは日本一「濃い」SF話の掲示板は必見。